天気予報で耳にする梅雨前線や停滞前線など、先頭のふた文字でどのような前線なのかをイメージすることはできますが、そもそも前線というのは何なのか説明するのは難しいでしょう。ここではそんな前線について解説したいと思います。
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予報用語の前線
寒気団と暖気団との境界線のこと
2つの気団が接触したときに生ずる不連続面が地上と交わる線のことを前線といいます。前線は風向きや風速、そして気温が連続的ではなく急激に変化していることから、かつては「不連続線」と表記されましたが20世紀半ばから『前線』と表記されるようになりました。前線の分類は次の4つ。
- 寒冷前線
- 温暖前線
- 停滞前線
- 閉塞前線
梅雨に関係する前線は寒冷前線と温暖前線、そして停滞前線を把握しておけばいいでしょう。
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前線の分類
寒冷前線
※天気図で用いる寒冷前線の記号
寒冷前線は冷たい気団が暖かい気団に向かって移動する際の接地面で起きます。寒冷前線が通過すると気温が急に下がり、長く連続した雨になることは少ないですが、積乱雲が発生するため短時間で強い雨を降らせ、雷や突風、雹(ひょう)を伴うこともあります。また、温度差が大きい場合には竜巻が発生する遠因にもなるのです。
温暖前線
※天気図で用いる温暖前線の記号
温暖前線は暖かい気団が冷たい気団に向かって移動する際の接地面で起きます。温暖前線が通過するときには気温はゆっくりと上昇し、乱層雲が発達してある程度連続した雨を降らせやすいですがその振り方は弱いのです。
停滞前線
※天気図で用いる停滞前線の記号
停滞前線は暖かい気団と冷たい気団の勢力が等しい状態、またはほとんど移動しない状態で接触した場合に発生します。暖かい気団の勢力が増せば前線は南下して冷たい気団の勢力が増せば北上し、雲の状況と雨の降り方は温暖前線に似ていて長く連続した雨を降らせます。
これが梅雨の時期に見られる気象現象で梅雨前線といわれます。
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