梅雨の時期になると天気予報などで「梅雨前線」という言葉を耳にすると思います。なんとなく「つゆぜんせん」という読み方ではなく『ばいうぜんせん』であることはご存じなのではありませんか?ただ、梅雨前線がどういったものなのか正しく説明できる人は少ないでしょう。ここではそんな梅雨前線について解説したいと思います。
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梅雨前線とは?
梅雨の時期の停滞前線
暖かい空気と冷たい空気の気団がほとんど等しい接地面で発生する前線のことを停滞前線といいますが、梅雨の時期には次の4つの気団が中国大陸方面と日本列島・朝鮮半島方面で2つに分かれてせめぎ合います。
- 中国大陸方面:北側の揚子江気団と南側の熱帯モンスーン気団が接近
- 日本列島・朝鮮半島方面:北側のオホーツク海気団と南側の小笠原気団が接近
揚子江気団と熱帯モンスーン気団、オホーツク海気団と小笠原気団という性質の異なる2つの気団がぶつかるところ。それが日本から中国大陸付近となり、衝突することで大気の状態が不安定になって前線が発生します。
この2つの気団の勢力は拮抗しているため、ほぼ同じ地域で南北振動を繰り返しながら沖縄地方から東北地方へゆっくり北上する停滞前線となるのです。
これらの気団がせめぎ合い勢力のバランスがほぼ釣り合っているとき、梅雨前線はほとんど動きません。この梅雨前線が横たわっているからこそ、1か月から2か月にかけて長雨が降るのです。
関連リンク:停滞前線とは?
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梅雨前線の性質
梅雨前線は雨をしとしと降らせる
梅雨前線の南側を構成する熱帯モンスーン気団と小笠原気団は海洋を本拠地とする気団のため、海洋から大量の水蒸気を吸収して非常に湿った空気を持っています。
この南側の気団と北側の気団の温度差は小さいので、衝突してもほとんどが乱層雲の弱い雨雲で構成されるため、しとしとと静かな雨を長時間にわたり降らせるのです。
これが梅雨前線の性質となります。
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