梅雨について

梅雨と雨季の違い

梅雨と雨季の違い

梅雨」というのは身近で馴染み深いものですが、一方で『雨季』に対してはどうでしょうか?

テレビやラジオなどで「梅雨入りしました」とは聞きますが、『雨季に入りました』とは言いませんよね。

そこで梅雨と雨季の違いというのは一体どういうものなのか?梅雨と雨季の違いについて解説したいと思います。

Ads by Google

梅雨

5月から7月にかけて曇りや雨の多い期間のこと

梅雨は雨季の一種となりますが、東アジアの広範囲(北海道と小笠原諸島を除く日本、朝鮮半島、中国の沿海部、台湾など)においてみられる特有の気象現象となります。

5月から7月にかけて4つの性質の違う気団が東アジアに存在し、中国大陸東部から日本の東方沖でせめぎ合うことにより、梅雨前線が停滞することで梅雨となるのです。

関連リンク:梅雨(つゆ)とは?

Ads by Google

雨季

1年のうちで降水量の多い時期のこと

雨季はおおむね1か月以上にわたって降り続ける雨の季節となります。

梅雨は全国的に見れば5月から7月の期間に雨を降らせますが、地域的に見ても1か月以上にわたって降り続ける雨といえるのではないでしょうか?

そうなると梅雨を雨季といわないのであれば、1年のうちで降水量の多い時期がほかにあるということになります。

降水量が最も多い月は何月なのか?

実は降水量が最も多い月というのは地域によって異なるのです。

例えば北海道、東京、大阪、沖縄を比較してみると次のようになります。

北海道東京大阪沖縄
1月74.085.066.5272.5
2月109.557.081.0157.5
3月60.5103.091.0168.5
4月58.5120.0127.5350.5
5月40.5137.5136.5129.5
6月112.5174.5325.0319.5
7月118.581.566.0193.0
8月279.0414.0161.5209.0
9月107.0287.0183.5342.0
10月78.096.542.075.5
11月115.5139.069.0103.0
12月206.584.0104.047.5

※過去の気象データ検索
http://www.data.jma.go.jp/

上記の通り降水量が最も多い月というのは地域によって異なり、8月もしくは9月に最も多く雨が降る地域が集中していますが、この時期は台風や梅雨に似た秋雨の影響によるものだといえます。

つまり梅雨も秋雨も雨季の一種ということになり、雨季を細分化した呼び方ともいえるでしょう。

対義語となる「乾季」がない

雨季というのは降水量の少ない時期を指す乾季の対義語でもあるため、乾季といえるシーズンのない日本では雨季という言葉は一般的ではありません。

赤道に近い熱帯・亜熱帯地域など年間を通じて気候の変動が激しくない地域では、気温ではなく降水量を基準に雨季や乾季は季節を表す呼称として一般的。

ですので、乾季に対する季節として雨季という場合には、雨季の一種とはいえないということになります。

Ads by Google

-梅雨について

Ads by Google

関連記事

梅雨前線とその性質

梅雨前線とその性質

梅雨の時期になると天気予報などで「梅雨前線」という言葉を耳にすると思います。なんとなく「つゆぜんせん」という読み方ではなく『ばいうぜんせん』であることはご存じなのではありませんか?ただ、梅雨前線がどう …

秋雨(アキサメ)とは?

秋雨(アキサメ)とは?

秋の訪れを告げる「秋雨(あきさめ)」は日本の四季折々の風物詩のひとつです。 秋雨はその名の通り秋に降る雨のことで、特に秋雨前線によって引き起こされる長期間続く雨を意味します。 この記事では秋雨の特徴や …

【全国版】梅雨入りと梅雨明けの平年まとめ

【全国版】梅雨入りと梅雨明けの平年まとめ

梅雨は日本の初夏に見られる特徴的な気象現象で、通常5月から7月にかけて発生します。 梅雨は湿った空気が北から流れ込み、温暖な空気が南から押し寄せるため、これらがぶつかり合って降雨が増えるのです。 各地 …

梅雨の語源

梅雨の語源

梅雨は「梅」の「雨」と書いて『つゆ』または『ばいう』といいますが、梅雨という単語の成立の由来や起源というのはどのようなものなのか?答えられる人というのはなかなかいないのではないでしょうか?そこで梅雨の …

梅雨と秋雨の違いについて

梅雨と秋雨の違いについて

日本の気候には四季があり、それぞれの季節に独特の気象現象が見られます。 その中でも特に注目されるのが梅雨と秋雨です。これらは日本の気候において重要な役割を果たしており、生活や農業、自然環境に大きな影響 …

Ads by Google