停滞前線や梅雨前線という言葉なら聞いたことがあると思いますが「春雨前線(はるさめぜんせん)」はどうでしょうか?この記事ではあまり聞き覚えのない春雨前線について解説したいと思います。
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春雨前線とは?
春雨前線というのは停滞前線のことをいいます。
停滞前線である
停滞前線というのは「ほぼ同じ位置にとどまっている前線」のことです。
見た目で違いはわかりませんが春雨前線というのは菜種梅雨の停滞前線のことを指します。
菜種梅雨の停滞前線
菜種梅雨というのは3月中旬から4月上旬にかけて、連日降り続く寒々とした長雨のことです。
菜の花が咲くころに降る雨ということで菜種梅雨と名付けられ、この時期の雨を催花雨(さいかう)や養花雨(ようかう)とも呼ばれます。
春雨前線や菜種梅雨というのはあまり馴染みのない言葉ですが、よく聞く梅雨前線とは違うのでしょうか?
梅雨前線との違い
梅雨前線は春雨前線が菜種梅雨の停滞前線であるように、5月中旬から7月下旬まで続く梅雨の時期の停滞前線になります。
つまり、停滞前線というのは時期で名称が変わるのです。
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停滞前線は時期で名称が変わる
見た目は一緒なのに時期によって停滞前線の名称が変わるのは何だか面白いですよね。
それでは時期による名称の違いを見ていきましょう。
春雨前線は3月下旬から4月上旬
菜種梅雨の停滞前線のことを春雨前線と呼ぶことから、3月下旬から4月上旬に見られる停滞前線を春雨前線と呼びます。
では、ほかの停滞前線はどのように呼ばれているのでしょうか?
ほかの停滞前線の呼び方
- 梅雨前線
- 秋雨前線
- 山茶花梅雨の停滞前線
梅雨前線が5月中旬から7月下旬にかけて、秋雨前線は8月下旬から10月上旬にかけて、そして山茶花梅雨の停滞前線は11月下旬から12月上旬にかけて見られます。
山茶花梅雨の停滞前線だけ前線の名称がありません。
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春雨前線が見られる地域
日本列島を覆っていた太平洋の高気圧が北へ後退することで長雨になり、前線が発生する太平洋沿岸でよく見られる現象になります。
つまり、菜種梅雨や春雨前線というのは東北地方より北ではあまり見られないのです。
春雨前線の停滞期間
菜種梅雨は曇りや雨などすっきりしない天気が続きますが、稀に1か月くらい菜種梅雨が続くこともあります。
それは1985年3月の東京でのできごとですが、快晴の日が0日で晴れの日は5日しかありませんでした。
とはいえ、 基本的には数日で終わることがほとんどです。
春雨前線の由来
春雨といえば食べ物を連想すると思います。
白くて細い麺が春の静かな雨をイメージさせるとして、春雨という固有の名前が付けられました。
春雨が日本に伝わったのは鎌倉時代といわれていますが、春雨前線と呼ぶようになったのはつい最近のこと。
春にしとしと降る雨が細く糸をひく春雨のように見えたから、菜種梅雨の停滞前線を春雨前線と呼ぶようになったのです。