梅雨は日本の初夏に見られる特徴的な気象現象で、通常5月から7月にかけて発生します。
梅雨は湿った空気が北から流れ込み、温暖な空気が南から押し寄せるため、これらがぶつかり合って降雨が増えるのです。
各地域の梅雨の気象パターンを理解することで夏の生活や活動を計画しやすくなります。
梅雨入りの平年
梅雨入りは地域ごとに異なり気象庁によって発表されます。
以下は日本の主要地域における梅雨入りの平年(平均的な年)の時期です。
沖縄地方:5月10日ごろ
奄美を除く沖縄県全域が含まれます。
日本の中で最も早く梅雨入りする地域です。南西諸島を含むこの地域は亜熱帯気候の影響を受け、梅雨入りの時期には高温多湿となります。
年間降水量の多くを占める梅雨期には集中豪雨が発生することが多いです。
奄美地方:5月12日ごろ
奄美群島とトカラ列島になります。
沖縄地方と同様に早めの梅雨入りです。熱帯性の気候で湿度が高く蒸し暑い日が続きます。
梅雨期の降水量が多く短期間に大量の雨が降ることがあります。
九州南部:5月30日ごろ
宮崎県とトカラ列島を除く鹿児島県となります。
温暖な気候で梅雨の期間中は激しい雨が降ることがあります。梅雨明け後は猛暑となることが多いです。
山岳地帯が多いため局地的な大雨が発生しやすいです。
九州北部:6月4日ごろ
福岡県、大分県、佐賀県、熊本県、長崎県、山口県が含まれます。
日本海側と太平洋側の気候が交錯するため梅雨の影響を強く受けます。降水量は多く、長期間にわたって雨が続くことが多いです。そのため、洪水や土砂災害のリスクが高まります。
四国地方:6月5日ごろ
徳島県、香川県、愛媛県、高知県が含まれます。
太平洋側気候の影響を受けるため湿度が高く、雨の日が多くなります。特に南部では豪雨となることが多いです。
四国山地が降水量を増加させ、激しい雨が降ることがあります。
中国地方:6月6日ごろ
鳥取県、島根県、岡山県、広島県が含まれます。
内陸部と沿岸部で気候が異なり梅雨の影響も異なります。内陸部では蒸し暑く、沿岸部では涼しいことが多いです。
降水量は地域によって差があり、特に山間部では多くなります。
近畿地方:6月6日ごろ
京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県が含まれます。
温暖湿潤な気候で梅雨の期間中は湿度が高くなります。都市部ではヒートアイランド現象も加わり蒸し暑さが増します。
都市部での集中豪雨や山間部での大雨に注意が必要です。
東海地方:6月6日ごろ
静岡県、岐阜県、三重県、愛知県が含まれます。
太平洋側気候で梅雨の期間中は高温多湿となります。岐阜県などの内陸部では蒸し暑さが特に顕著です。
降水量は多く特に山間部での大雨や洪水に注意が必要です。
関東甲信地方:6月7日ごろ
東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県、千葉県、神奈川県、長野県、山梨県が含まれます。
関東平野と山岳地帯の気候が交差し変化に富んだ梅雨となります。特に都市部では蒸し暑さが増し湿度も高くなります。
局地的な豪雨や都市部での洪水リスクがあります。
北陸地方:6月11日ごろ
新潟県、富山県、石川県、福井県が含まれます。
日本海側気候の影響を受け、梅雨の期間中は曇りや雨の日が多くなります。湿度が高く、涼しいことが多いです。
降水量は多く、長期間にわたって雨が降ることがあります。
東北南部:6月12日ごろ
山形県、宮城県、福島県が含まれます。
北日本の気候で梅雨の影響が比較的弱いです。
ただし、局地的な大雨が発生することがあります。降水量は少なめですが梅雨末期の大雨にはご注意ください。
東北北部:6月15日ごろ
青森県、秋田県、岩手県が含まれます。
日本の中で最も遅く梅雨入りする地域です。気温は低めで湿度も比較的低いです。
降水量は少なめで梅雨の影響は弱めです。
梅雨明けの平年
梅雨明けは梅雨前線が北上または消滅し、晴天の日が続くようになる時期を指します。
梅雨入りと同様に梅雨明けは地域ごとに異なり気象庁によって発表されます。
以下は日本の主要地域における梅雨明けの平年(平均的な年)の時期です。
沖縄地方:6月21日ごろ
梅雨の期間は平均43日。
日本で最も早く梅雨明けする地域です。
梅雨明け後は真夏日が続き、強い日差しと高温が特徴です。
観光シーズンが本格化しビーチリゾートが賑わいます。
奄美地方:6月29日ごろ
梅雨の期間は平均49日。
沖縄地方に次いで早く梅雨明けします。
梅雨明け後は蒸し暑い日が続き、熱帯夜も多くなります。
九州南部:7月15日ごろ
梅雨明け後は猛暑が続き、日中の気温が非常に高くなります。
農作物の成長が促進される時期です。
九州北部:7月19日ごろ
梅雨の期間は平均47日。
梅雨明け後は厳しい暑さが続きます。
湿度が高く熱中症に注意が必要です。
四国地方:7月17日ごろ
梅雨の期間は平均43日。
梅雨明け後は太平洋高気圧の影響で暑くなります。
四国山地では局地的な雷雨が発生することもあります。
中国地方:7月19日ごろ
梅雨の期間は平均44日。
内陸部と沿岸部で気候が異なります。
内陸部では特に蒸し暑く夜間も気温が下がりにくいです。
近畿地方:7月19日ごろ
梅雨の期間は平均44日。
梅雨明け後は高温多湿な日が続きます。
都市部ではヒートアイランド現象により蒸し暑さが増します。
東海地方:7月19日ごろ
梅雨の期間は平均44日。
梅雨明け後は本格的な夏が到来し高温多湿の日が続きます。
岐阜県などの内陸部では特に蒸し暑さが顕著です。
関東甲信地方:7月19日ごろ
梅雨の期間は平均44日。
梅雨明け後は猛暑が続きます。
都市部ではヒートアイランド現象が顕著で夜間も気温が高いです。
北陸地方:7月23日ごろ
梅雨の期間は平均43日。
日本海側気候の影響を受けて梅雨明け後も曇りの日が多いですが、徐々に晴天の日が増えます。
湿度が高く蒸し暑い日が続きます。
東北南部:7月24日ごろ
梅雨の期間は平均43日。
梅雨明け後は比較的穏やかな夏が訪れます。
気温は高めですが湿度は低めで過ごしやすいです。
東北北部:7月28日ごろ
梅雨の期間は平均44日。
日本で最も遅く梅雨明けする地域です。
気温は比較的低めで湿度も低く、過ごしやすい夏が訪れます。